薬草フェスティバル出展レポート

薬草フェスティバル出展レポート

二日間で、100人近い方とお灸の話をしました

9月12日・13日。

岐阜県・飛騨古川で開催された薬草フェスティバルに出展してきました。

薬草を扱う人たちが全国から集まる場所です。お茶、薬膳、精油…
会場を歩いているだけで、それぞれの土地の植物と暮らしが感じられるような、そんな二日間でした。

とはいえ今回は出展側なのでじっくり見て回ることはできませんでしたが…。

今回、僕たちは「YOMOGI BASE」という名前でブースを出しました。

そして二日間で、100人近い方とお灸の話をしました。

「これ、なんですか?」

ブースに立っていると、何度も聞かれました。

これ、なんですか?

「お灸です」

そう答えると、

「え?これがお灸なんですね」

お灸(に使われるもぐさ)はヨモギからできていることは知っていても

よもぎがお灸に使われていること。どんなふうに加工され、どんな形でお灸になるのか。

そして台座灸とは?

そこまで知っている方は、思っていたより多くありませんでした。

今回の出展では、そんな「知っているようで知らないよもぎ」と「お灸」の間にある距離を、何度も感じました。

ブースでやったこと

ブースに並べたのは、よもぎの化粧水とバーム、そしてお香。

それと「お灸すくい」をやりました。

金魚すくいのお灸版です。すくった分だけ、その場で持ち帰ってもらいます。

子どもも大人も、思っていた以上に真剣でした。

「もう一個取れそう」

「これもいけるかな」

そんな声が聞こえてきました。

ただ商品を説明するだけではなく、実際に手を動かしてもらう。それが、お灸の話を始める入口として、とてもよく働いてくれました。

一番手に取っていただいたのは、お香でした

今回、特に足を止めてもらえたのがお香でした。

商品をただ並べておくのではなく、実際に使っているところを見てもらう。その違いは大きいと感じました。

また化粧品も同様で、実際に手の甲にのせて受け取ってもらうと、

「あ」

と表情が変わる。

言葉より、手のほうが早い。

今回、実際に商品を手に取ってもらうことで、そのことを改めて感じました。

こうしたことも、実際に現場に出て、お客さんと向き合ったからこそ得られた学びでした。

一番の収穫は、お灸の話を100人近くとできたこと

今回、一番印象に残ったのは、売れた商品ではありませんでした。

二日間で、たくさんの方とお灸の話ができたことです。

そして、何度も同じような言葉を聞きました。

「お灸、持ってるんです」

「一度やったことがあります」

「もらったものが家にあります」

そして、その先に、必ずと言っていいほど同じ言葉が続きます。

でも、続かなくて。

この言葉が、とても印象に残りました。

「続けられない」のは、意志の問題なのか

話を聞いていくと、いくつか共通することがありました。

どこにやればいいのか分からない。

いつやるのか決めていない。

一度やらなくなっても、誰かに思い出させてもらうこともない。

お灸そのものを嫌いになったわけではありません。

むしろ、

「好きです」

「気持ちいいです」

「またやりたいです」

という方もいました。

それでも、続かない。

その話を聞いていて、

「これは意志の問題ではないな」

と思いました。

続けたいと思っている人に、

「もっと頑張ってください」

と言うのは、少し違う。

必要なのは、頑張らなくても続けられる環境なのではないか。

そんなことを考えました。

「ひねる」って、何ですか?

もう一つ、意外だった質問があります。

ひねるって、何ですか?

お灸について話しているときに、何度か聞かれました。

僕たちにとっては、

「もぐさをひねる」

というのは当たり前のことです。

でも、その「当たり前」は、外に出てみると全く当たり前ではありませんでした。

お灸を知っている方でも、「ひねる」という言葉から、実際に何をするのかまでは分からない。

鍼灸師の中では当たり前になっている言葉ほど、初めて触れる人には伝わらない。

今回の出展を通して、そのことにも気づかされました。

お灸をもっと身近なものにしていくなら、こうした小さな「分からない」を一つずつほどいていく必要があるのだと思います。

同じように植物と向き合っている人たちと

今回は、出展されている事業者の方々ともたくさんお話ができました。

ありがとうございます。

育てている植物も、作っているものも、みなさんそれぞれ違います。

それでも、話していると重なるところがありました。どこで育てているか。どう乾かしているか。どこまで自分の手でやっているか。そういう話は、いくらでも続きます。

こういう場に出ていかなければ、絶対に生まれなかった会話でした。

お灸は、一度やって終わるものではない

今回、たくさんの方と話して、改めて思ったことがあります。

お灸は、一度体験して終わるものではない。

続けていく中で、少しずつ自分の暮らしの中に入っていくものなのではないか。

だからこそ、

「お灸とは何か」

を説明するだけでは足りないのだと思います。

どこに置いておくのか。

いつやるのか。

どうやって思い出すのか。

どう記録するのか。

誰と共有するのか。

そうした「続けられる形」まで考えていく必要がある。

今回、100人近い方と話したことで、そこが少し見えてきたように思います。

これから、やること

今回持ち帰った宿題は、大きく2つです。

  • 「ひねる」のような、鍼灸師の中だけで通じている言葉を、ひとつずつ言い換えていく
  • お灸を「続けられる形」を用意する。どこに据えるか、いつやるか、どう記録するか、まで一緒に渡す

2つ目については、今まさに準備を進めています。形になったら、またここでお知らせします。

売れた数よりも、「続かなかった理由」を100人分、直接聞けたこと。それが今回、一番の収穫でした。

主催してくださったみなさま、ブースに立ち寄って話を聞かせてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

外部リンク:全国薬草フェスティバル

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