「よもぎって、なに?」
そう聞かれて、
ちゃんと答えられる人は
たぶん少ないと思います。
草餅は知っている。
お灸も、よもぎ蒸しも聞いたことがある。
ヨモギ茶も効いたことがあるでしょう。
でも、よもぎがどんな植物で、
どうしてこんなに使われてきたのかは、
意外と知らない。
わたしもそうでした。
この記事では、
そのあたりをまるごとお話しします。

よもぎって、どんな植物?
よもぎは、キク科ヨモギ属の多年草です。
日本全国の道端、空き地、河川敷。
本当にどこにでも生えています。
背丈は物によっては2メートルくらいまで伸びます。
葉には深い切れ込みがあって、
裏返すと白い。
細かい絨毛が生えているからです。
秋になると花が咲くのですが、
これがものすごく地味です。
色は白とかピンク黄色系も少しあります。
しかし、花びららしい花びらもない。
虫を呼ぶ必要がないので、
きれいに咲く理由がないのです。
かわりに、風にのせて
数万粒ともいわれる種を飛ばします。
別名は「もちぐさ」。
餅に入れる草、という意味です。
このあたりまでは、
図鑑に書いてあることです。
おもしろいのは、ここからでした。
気づいたら、ずっとそばにいた
よもぎの使われ方を並べてみると、
そのバリエーションに驚きます。
春には、草餅にして食べる。
端午の節句には、菖蒲といっしょに
軒に吊るして厄除けにする。
(中国では今でもやられています)
お風呂に入れて浸かる。
よもぎ蒸しで蒸気を浴びる。
そして、お灸。
食べる。飾る。浸かる。温める。
ひとつの草が、
これだけの入り方をしている植物は
そう多くありません。
しかも、どれも
「体をいたわる」側の使い方です。
だれかがある日発明したわけではなくて、
気づいたときには、
もうずっとそばにいた。
そういう草なんだと思います。
あの香りは、よもぎが自分を守るためのもの
よもぎといえば、あの香りです。
草餅の香り。お灸の香り。
よもぎ蒸しの湯気の香り。
あの香りの正体は、精油です。
シネオールという成分や、
ほかにα-ツヨンなどが含まれます
(出典:日本メディカルハーブ協会)。
そして、これを知ったとき
「へえ」と声が出たのですが、
この香り、じつは
虫や菌から自分を守るために
よもぎがつくっているものなんだそうです
(出典:日本メディカルハーブ協会)。
わたしたちが「いい香り」と言っているものは、
よもぎにとっては
自分を守るための道具でした。
昔の人が、香りの強い草を
軒に吊るして虫や邪気を遠ざけたのも、
考えてみればつじつまが合っています。
お灸の「もぐさ」は、葉の裏の絨毛だけ
よく聞かれるのが、
「よもぎともぐさって同じもの?」
という質問です。
答えは、原料は同じ、です。
もぐさは、よもぎの葉の裏に生えている
あの白い絨毛だけを集めたものです。
刈って、干して、臼で砕いて、
葉や茎をふるい落とす。
それを何度も繰り返して、
絨毛だけを残していきます。
精製度の高いものになると、
原料のよもぎから数パーセントしか
採れないといわれています。
あの小さな白いかたまりが、
どれだけのよもぎからできているのか。
はじめて知ったとき、
お灸を見る目が変わりますよね。
どれだけ集めることが大変なことか…
ちなみに、この絨毛も
強い日ざしや乾燥、小さな虫から
自分を守るためのものです
香りも、絨毛も。
よもぎが自分のために持っているものを、
人はずっと借りてきたことになります。
じつは、けっこう手ごわい
ここまで書くと
いい話ばかりのようですが、
よもぎには別の顔もあります。
雑草として、かなり嫌われています。
地下茎を横に伸ばして
どんどん増えていきますし、
根っこが木の枝のように太くなっていきます。
種は風で数万粒。
地下では横に広がる。
まわりの草は抑え込む。
だから、庭に生えたよもぎは
なかなか駆除できません。
わたしたちも信州でよもぎを育てていますが、
畑では毎年、草との勝負です。
正直、心が折れそうになる日もあります。
でも畑にいると、
よくわかることがあります。
薬草として大事にされてきた理由と、
雑草として嫌われる理由が、
まったく同じだということです。
強い。それだけなんです。
※でも定植に時間がかかり、最初は弱いです。他の雑草に負けてしまいます。
それでも、千年そばにいた
華やかな花は咲かせない。
甘い香りで虫を呼ぶこともしない。
むしろ抜いても抜いても生えてきて、
けっこう厄介がられている。
それなのに、日本では
千年ずっと人の暮らしのなかにいます。
食べられて、浸かられて、
飾られて、燃やされて。
道端にいるのに、必要とされつづけた草。
あらためて、よもぎとは
よもぎとは、キク科ヨモギ属の多年草です。
日本全国の道端に自生していて、
古くから食べる、浸かる、温めるという形で
暮らしのなかで使われてきました。
これが、教科書的な答えです。
でも、わたしなりに言うなら、
こうなります。
よもぎとは、
目立たないのにずっと強くて、
千年、人のそばにいてくれた草です。
派手ではありません。
でも、なくならない。
明日から道端のよもぎが
少し違って見えたら、うれしいです。
よくある質問
よもぎとはどんな植物ですか
キク科ヨモギ属の多年草です。日本全国の道端や河川敷に自生し、高さは2メートルほどになります。葉の裏に白い絨毛が生えているのが特徴です。秋に地味な花をつけ、風で花粉と種を飛ばします。
よもぎの香りの成分は何ですか
精油です。シネオールが半分ほどを占め、ほかにα-ツヨンなどが含まれます。この精油は、よもぎが虫や菌から身を守るためにつくっているものです。
よもぎともぐさの違いは何ですか
原料は同じです。もぐさは、よもぎの葉の裏に生えている白い絨毛だけを集めて精製したもので、お灸に使われます。精製度の高いものは、原料のよもぎからごくわずかしか採れません。
よもぎはなぜ雑草として嫌われるのですか
繁殖力が強いためです。種を風で大量に飛ばすうえ、地下茎を横に伸ばして増えていきます。まわりの植物の成長を抑える性質も知られています。薬草として使われてきた理由と、雑草として嫌われる理由は、どちらも同じ「強さ」から来ています。
よもぎはどこに生えていますか
日本全国です。日当たりのよい道端、空き地、土手、河川敷などに、まとまって生えていることが多い植物です。地域によって特徴が異なります。
草餅とよもぎ餅は違うものですか
いまはほぼ同じ意味で使われています。ただし平安時代の草餅には母子草(ハハコグサ)が使われていて、よもぎに替わったのは室町時代以降とされています。
道に生えているよもぎを採って使ってもいいですか
見た目のよく似た植物もあるので、確実に見分けられない場合はおすすめしません。トリカブトのような毒草にも似ています。また、道路沿いや私有地の草は、環境や権利の面でも注意が必要です。使う目的がはっきりしているときは、その用途に合わせて育てられたものを選ぶほうが安心です。
よもぎを、暮らしに戻す
わたしたちYOMOGI BASEは、
信州でよもぎを育てています。
やっていることは、
昔の人と変わりません。
よもぎが自分のために持っている力を
少しだけ借りて、暮らしに戻すこと。
たとえば、信州・諏訪のよもぎを使った
よもぎ化粧品セット。
化粧水とバームで4,950円(税込)です。
特別なものではありません。
千年、そうやって使われてきた草を、
いまの暮らしの形にしただけです。
これからも、よもぎの話を
よもぎの話は、まだ入り口です。
これから少しずつ、お伝えしていきます。
新しいお知らせや、よもぎと暮らしの記録を
Instagram・LINEでお届けしています。
よろしければ、覗いてみてください。
Instagram:https://www.instagram.com/yomogi_base/?hl=ja
よもぎ、暮らし、養生。
こころに、余白を。
YOMOGI BASE
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