いちばん簡単な方法を、選ばなかった
この記事は、うちのよもぎの化粧品から、よもぎの香りがしない理由の話です。香りをつける方法は、実はいくつもあります。そのうちのひとつは、合成香料を足すという非常に簡単です。それでも私が足さなかったのはなぜかお伝えしていきます。

よもぎの香りをつけるのは、簡単です
先に、いちばん正直なことを書きます。
商品によもぎの香りをつけたいなら、方法はあります。
それは合成香料を入れることです。
これがいちばん簡単で、いちばん確実で、いちばん安く済みます。煮出したときのあの匂いを再現しようと思ったら、実際これ以外にほとんど手はありません。技術としてよくできていて、香りの強さも均一にそろいます。つくる時期が変わっても、同じ匂いがする。
つまり、やろうと思えば、明日にでもできることなんです。
だから私は、香料を使っている商品を悪く言うつもりが少しもありません。安全性を確かめたうえで、たくさんの製品に使われています。私だって、いい香りのするものに助けられる日があります。まっとうで、合理的な方法です。
でも、そのうえで、私は足さないことにしました。
もうひとつの方法は、ほとんど採れません
合成でないなら、よもぎそのものから香りを採ればいい。精油です。
一度、やってみたことがあります。
畑のよもぎを刈って、精油だけを取り出す。うまくいけば、この匂いを商品に入れられるかもしれない。そう思ったんです。
よもぎを刈って、10キロ。
それを機械にかけて採れた精油は、2mlでした。
小瓶の底に、少しだけでした。
うれしかったですし、がっかりもしました。これでは商品にならないと、その場でわかりました。
香りのために畑を刈り尽くす。そういうつくり方も世の中にはありますし、規模や値段の置き方が違えば成立する方法だと思います。ただ、私の畑と、私がつけたい値段では、そこに手が届きませんでした。
うちは、そのまま抽出しています
では、うちの商品には何が入っているのか。
よもぎです。信州のよもぎを、製造の工程で抽出して、そのまま入れています。香りを足すのでも、香りだけを取り出すのでもなく、抽出したものをそのまま。
香りがしないのは、そのせいです。
抽出のあいだに、匂いは残りません。刈ったときにあれだけ強かったものが、最後には少なくなってしまいます。
しかし、香りがしないことと、よもぎが入っていないことは、別の話です。
ここだけは伝えておきたくて、この記事を書いています。
香りを楽しみたいなら、煮出してください
そのうえで、ひとつお伝えしたいことがあります。
よもぎの香りをいちばん気持ちよく楽しむ方法は、化粧品ではありません。乾燥したよもぎを、そのまま煮出すことです。
鍋にお湯を沸かして、乾燥よもぎをひとつかみ。それだけで、湯気と一緒に匂いが部屋じゅうに広がります。畑で刈っているときのあの匂いに、いちばん近いのはこれです。
うちのよもぎ蒸し用の乾燥よもぎでもできます。
ぜひ煮出してお風呂に入れてみてください。
選ばなかった、という話です
まとめます。
いちばん簡単なのは、香料を足すことでした。選びませんでした。
次に考えたのは、精油を採ることでした。ほとんど採れませんでした。
残ったのが、そのまま抽出する、というやり方です。
香りがしないことを、長所として売るつもりはありません。
物足りないと感じる方がいることも、わかっています。
ただ、足さなかった理由だけは、知っておいてほしかった。
そういう記事です。
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