お灸のよもぎと化粧品のよもぎは何が違う?もぐさ・ヨモギ葉水・ヨモギ葉エキスを解説

お灸のよもぎと化粧品のよもぎは何が違う?もぐさ・ヨモギ葉水・ヨモギ葉エキスを解説

お灸に使う「もぐさ」は、よもぎの葉を乾燥させ、粉砕・選別して作ります。一方、化粧品では、水蒸気蒸留で得る「ヨモギ葉水」や、抽出して得る「ヨモギ葉エキス」などが原料として使われます。

この記事では、鍼灸師としてお灸に携わり、よもぎの化粧品も扱う立場から、それぞれの違いを整理します。

  • お灸に使うもぐさは、どのように作られるのか
  • ヨモギ葉水とヨモギ葉エキスは、何が違うのか
  • 同じよもぎでも、用途で加工方法が変わる理由

著者:合同会社YOMOGI BASE代表/鍼灸師 長野県でよもぎを育て、よもぎを使った化粧水・保湿バーム・お香などを扱っています。

もぐさとは?お灸に使うよもぎの作り方

もぐさとは、お灸に使うために、よもぎの葉を加工して作る素材です。葉をそのまま燃やすのではなく、粉砕や選別を経て整えたものを使います。

日本のもぐさ製造を調べた織田隆三氏の報告では、次のような工程が紹介されています。

  1. 夏(7〜8月ごろ)によもぎを採集する
  2. 葉を取り分け、天日で数日乾燥させる
  3. 工場で加熱乾燥し、水分を十分に減らす
  4. 粗く砕いた後、石臼で粉砕する
  5. ふるいにかけ、唐箕(とうみ)で精製する

唐箕は、風を利用して重さや形の異なるものを選り分ける道具です。実際の工程や設備は、製造者や製品の種類によって異なります。

もぐさの質を左右するもの

日本産と中国産のよもぎの葉を比べた研究では、葉の裏側に密生する毛の形や、元素組成に違いがあったと報告されています。研究者は、こうした違いが精製したもぐさの質に影響する可能性を述べています。

ただし、これは乾燥葉を対象にした報告です。植物の違いだけで、個々のもぐさの品質や、施灸したときの感覚がすべて決まるわけではありません。

化粧品に使うよもぎは「ヨモギ葉水」「ヨモギ葉エキス」

化粧品の全成分表示には、「ヨモギ葉水」「ヨモギ葉エキス」といった名称が載っていることがあります。どちらもよもぎに由来する原料ですが、名前が違うのは、製造方法などが異なるためです。

比較項目 ヨモギ葉水 ヨモギ葉エキス
原料 よもぎの葉など よもぎの葉など
製造方法の例 水蒸気蒸留 水やBGなどを使った抽出
得られるもの 蒸留で回収した水性の原料 抽出条件に応じた成分を含む原料
化粧品での使われ方 水の一部または全量の代わりに使われる場合がある 配合原料のひとつとして使われる

※一般的な製造方法の例です。すべての原料が同じ方法で作られるわけではなく、製造方法や規格は原料メーカーによって異なります。

水蒸気蒸留とは、植物に水蒸気を通し、揮発しやすい成分を含む蒸気を冷やして液体として回収する方法です。エキスは、植物から成分を溶媒で取り出して作る原料です。BGは、化粧品に広く使われる成分で、溶媒としても使われます。

※ヨモギ葉水とヨモギ葉エキスは、どちらが優れているという話ではありません。

YOMOGI BASEのよもぎ化粧水の原料

YOMOGI BASEのよもぎ化粧水は、全成分表示の先頭に「ヨモギ葉水」があり、「ヨモギ葉エキス」も配合しています。

全成分は、ヨモギ葉水、BG、グリセリン、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、ヨモギ葉エキス、コメ発酵液、加水分解水添デンプン、グリコシルトレハロース、ベタイン、PCA-Naの11種類です。

全成分表示だけでは、それぞれの原料の抽出条件や成分量までは分かりません。化粧水やバームの製造は、長野県内の化粧品製造会社に委託しています。

全成分や内容量などは、YOMOGI BASEの公式商品ページで確認できます。

よくある質問

お灸に使うよもぎと化粧品に使うよもぎは同じ植物ですか?

どちらもよもぎを原料にする場合がありますが、植物の種類や原料の規格は製品によって異なります。加工も異なり、もぐさは乾燥・粉砕・選別などを経て作られ、化粧品ではヨモギ葉水やヨモギ葉エキスなどになります。

もぐさは、よもぎの葉を乾燥させただけのものですか?

いいえ。乾燥のあとに粉砕し、ふるいや唐箕で精製する工程があります。工程や精製の程度は、製造者や製品の種類によって異なります。

ヨモギ葉水とヨモギ葉エキスは、どちらが肌によいですか?

原料名だけで一律に判断することはできません。製造方法、原料の規格、化粧品全体の処方などを確認する必要があります。

ヨモギ葉水は、よもぎの精油と同じものですか?

同じものではありません。精油と水性の原料では、性質や組成が異なります。

まとめ|同じよもぎでも、用途によって加工方法が違う

お灸に使うもぐさは、よもぎの葉を乾燥・粉砕し、選別して作る素材です。化粧品では、ヨモギ葉水やヨモギ葉エキスなど、処方に合わせた原料が使われます。どちらが優れているということではなく、目的に合わせて原料と加工方法が異なります。

次の記事では、信州の畑でよもぎを育て、商品になるまでの工程を紹介します。

参考文献

  1. 織田隆三「モグサの研究(1)最近の製造工程と原料のヨモギについて」『全日本鍼灸学会雑誌』1984年、33巻4号、427–430頁。 https://doi.org/10.3777/jjsam.33.427
  2. 織田隆三「モグサの研究(6)製法の総括」『全日本鍼灸学会雑誌』1995年、45巻4号、263–268頁。 https://doi.org/10.3777/jjsam.45.263
  3. 仲西宏元・尾崎昭弘「日本産と中国産ヨモギの比較研究」『全日本鍼灸学会雑誌』1997年、47巻1号、6–13頁。 https://doi.org/10.3777/jjsam.47.6

最終更新日:2026年10月28日

※本記事は、もぐさや化粧品原料について一般的な情報を紹介するもので、特定の病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。

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