「また風邪をひいてしまった」「なんか体がだるい」、そんな繰り返しに疲れていませんか?
お灸が免疫力に良いと聞いて調べてみたけれど、情報が多くてどれを信じればいいかわからない
という方に向けてこの記事では、研究で分かっていることと分かっていないことを
正直にお伝えしながら、無理なく続けられるセルフケアについてご紹介します。

体調を崩しやすいけど、お灸って効果ありますか?
結論から言うと、お灸は免疫細胞のバランスを整える可能性が研究で示されており、体調管理のセルフケアの一つとして取り入れる合理的な根拠はあると考えられています。ただし、「風邪をひかなくなる」と断言できるほどの科学的証拠はまだ十分ではなく、生活習慣全体の見直しとあわせて活用するものとして考えると無理がありません。人によって感じ方や効果は異なりますので、一つのケア手段として参考にしてください。
また体調を崩してしまった…
最近は日中は温かい日がありますが、朝晩は結構冷え込んだりしています。気温差が多いと身体も疲れてしまいますよね。
また季節の変わり目になると必ず風邪をひく。 周りは元気なのに自分だけ体調を崩す。 疲れが抜けないまま次の日を迎える。
こういった経験が続くと、「自分の体は何かおかしいのかな」「免疫が弱いのかな」という不安が生まれてきます。
そして調べると「お灸で免疫力アップ」「よもぎで風邪予防」というあまり見慣れない言葉が…。
でも、どこまで本当なのか、何を信じればいいのか分からなくなりますよね。
この記事では、現時点で研究が示していること・まだ分かっていないことを整理しながら、毎日のセルフケアとしてお灸を取り入れるかどうか判断するための情報をお届けします。
そもそも「免疫力」って何のこと?
免疫力とは、体の中に侵入しようとするウイルスや細菌を攻撃し、病気を防ぐ仕組みのことです。
生活の言葉で言い換えると、「体の中の防衛部隊の強さ」のようなイメージです。
この防衛部隊には複数の種類があります。
- T細胞:敵を見つけて攻撃したり、攻撃の司令を出したりする細胞
- NK細胞:ウイルスに感染した細胞や異常な細胞をすばやく攻撃する細胞
- マクロファージ:細菌などを食べて消化する、最初の砦となる細胞
- 免疫グロブリン:血液や粘膜に存在し、ウイルスや細菌に直接くっついて無力化する「抗体」
これらが互いにバランスを取りながら働くことで、風邪などの感染症から体を守っています。
ただし、「免疫力が高い=何にもかからない」というわけではなく、「バランスが整っている状態が健康的」という理解のほうが正確です。強すぎても、花粉症や自己免疫疾患のような問題が起きることもあります。
お灸とは何か?よもぎがなぜ使われるのか?
お灸とは、ツボ(経穴)に熱刺激を与えることで、体の調子を整えようとする伝統的な東洋医学の手法です。
皮膚の近くで燃やすことで生まれる「じんわりとした温かさ」が特徴で、自宅でも使える台座灸(市販のお灸)を使えばセルフケアとして取り入れることができます。
そのもぐさの原料となるのがよもぎを乾燥・精製したものです。
よもぎには次のような成分が含まれているとされています。
- シネオール(cineole):殺菌・抗炎症作用が報告されている成分
- フラボノイド:抗酸化作用を持つ植物由来の成分
- タンニン:収斂・抗菌作用が知られている成分
ただし、これらの成分がお灸の燃焼によって体内でどう作用するかについては、まだ研究段階の部分も多く、「よもぎ=万能」と断言できる状態ではありません。
お灸は免疫細胞に影響を与えるのか?
免疫細胞のバランスに変化が見られた研究
お灸・鍼灸を受けたグループで次のような変化が報告されています。
- T細胞(CD3+・CD4+)やNK細胞の数値が上昇した
- 免疫バランスの指標(CD4+/CD8+比)が改善した
これは「免疫の防衛部隊の人数が増えて、バランスが整った」とイメージすると分かりやすいかもしれません。
また、特定のツボへの施灸について、次の報告もあります。
- 足三里(足のすねにあるツボ)への施灸が、高齢者の細胞性免疫機能にポジティブな変化をもたらした
- 神闕(おへそのツボ)への施灸が、がん患者の免疫細胞の数値を改善し、生活の質の向上にもつながった
これらの研究は、お灸が免疫細胞に何らかの影響を与える可能性を示すものです。
ただし、大切な注意点があります。
多くの研究は「病気のある人」や「高齢者」を対象としたもので、一般の健康な成人への効果がそのまま当てはまるとは限りません。また、研究の質にばらつきがあり、結果の信頼性にも差があります。
また癌が治るという話ではありません。
マクロファージへの影響
動物実験(マウス)では、お灸がマクロファージという細胞の働きを活性化し、細菌への抵抗力が高まることが観察されています。これはお灸が「最初の砦」を強化する可能性を示唆しています。
ただしこれは動物実験の段階であり、人間でも同様の効果があるかどうかは、さらなる研究が必要です。
お灸で本当に「風邪をひかなくなる」のか?
これが多くの人が最も気になるポイントではないでしょうか。
日本で実施された臨床試験では、腰痛や膝痛で鍼灸治療を受けていた患者さんたちが「治療を受けている間、なぜか風邪をひかなかった」と話すことがきっかけになり、お灸の感冒(風邪)予防効果を正式に検証しようという研究が行われました。
結果は次の通りです。
- お灸を行ったグループは、42日間の観察期間中、風邪をひく人が少ない傾向が見られた
- 一部の施設では統計的に意味のある差(p=0.007)が確認された
- しかし、全体として「お灸が風邪予防に有効」と言える明確な差は示されなかった
研究者自身も「日本式鍼灸・お灸が感冒予防に有効であることを推奨する確実な根拠は得られなかった」と結論づけています。
一方で、安全性は十分に確認されており、副作用の報告もほとんどありませんでした。
つまり現時点では「お灸で絶対に風邪をひかなくなる」とは言えませんが、「体への安全性は高く、免疫細胞への何らかの影響は期待できる」という状態です。
よくある誤解
インターネットでよく見かける「お灸で免疫力が劇的にアップ」「毎日お灸をすれば風邪をひかない」という表現には注意が必要です。
誤解しやすいポイントを整理します。
| よく見る表現 | 実際のところ |
|---|---|
| 「免疫力が何倍にもアップ」 | 免疫には複数の要素があり、単純に「何倍」とは測れません |
| 「風邪をひかなくなる」 | 傾向はあるが、臨床試験では明確な有意差は示されていません |
| 「よもぎは万能薬」 | 有効成分は含まれますが、燃焼後の体内での働きは研究段階です |
| 「お灸だけで体質改善できる」 | 睡眠・食事・ストレスなど生活習慣全体が免疫に関わっています |
お灸は「確実に風邪を防ぐ薬」ではなく、「体を整える習慣の一つ」として位置づけると、無理のない付き合い方ができます。
毎日のセルフケアとして、どう取り入れるか?
お灸を日常のケアとして試してみたいという方に向けて、無理のない取り入れ方をご紹介します。
初心者におすすめのツボ
難しく考えなくても大丈夫です。市販の台座灸(せんねん灸など)で試しやすいツボをご紹介します。
- 足三里(あしさんり):膝の皿の外側から指4本分下。免疫や消化に関わるとされるツボで、研究でも多く取り上げられています
- 大椎(だいつい):首の後ろ、うつむいたときに一番出っ張る骨のすぐ下。感冒予防のツボとして鍼灸師がよく使う場所です
- 関元(かんげん):おへその指4本分下。体を温め、体力を補うとされています
始めるときの注意点
- 台座灸は皮膚から離れているため、やけどのリスクが低く初心者向きです
- 熱さを感じたら我慢せず、すぐに外してください
- 妊娠中・皮膚に炎症や傷がある部位・血行障害のある方は使用前に医師や鍼灸師に相談してください
- お灸だけに頼らず、睡眠・食事・体温調節と組み合わせることが大切です
続けることに意味がある
お灸の効果は一度で劇的に変わるものではありません。「続けることで体の状態を観察しながら整えていく習慣」として考えると、焦らず取り組めます。
週2〜3回から始めて、体の変化を少しずつ観察してみてください。
よくある質問
Q1. お灸は自宅でやっても大丈夫ですか?
A:市販の台座灸であれば、正しく使えばほとんどの方が自宅で安全に使えます。 ただし、熱さを感じた場合は迷わず外すこと、子どもや高齢者の方の使用は慎重に行うことが大切です。初めての方は少量から始めて、体の反応を確認しながら続けましょう。妊娠中の方や持病のある方は、必ず専門家に相談してからにしてください。
Q2. 何日続ければ効果が出ますか?
A:「何日で効果が出る」という明確な答えは、現時点の研究では示されていません。 個人差が大きく一概には言えません。「体を観察しながら習慣にする」という気持ちで、無理なく続けることが大切です。すぐに劇的な変化を期待するより、体調の変化を日々小さく観察することに意味があります。
Q3. お灸だけで風邪をひかなくなりますか?
A:お灸だけで確実に風邪を防げるとは言えません。 研究では、お灸群で風邪をひきにくくなる傾向は見られましたが、統計的に明確な差は出ませんでした。免疫機能は睡眠・栄養・ストレス・体温調節など多くの要素が絡み合っています。お灸はその中の「補助的なケア」として活用するのが現実的です。人によって感じ方や影響は異なりますし、単独で効果を保証するものではありません。
まとめ【今日から始めるセルフケアの考え方】
- お灸が免疫細胞(T細胞・NK細胞など)のバランスに影響する可能性は、複数の研究で示されています
- 「お灸で風邪をひかなくなる」という明確な証拠はまだなく、傾向として示されている段階です
- よもぎ(もぐさ)には有効成分が含まれますが、燃焼後の効果については研究が続いています
- 台座灸は安全性が高く、日常のセルフケアの一つとして取り入れる合理的な理由はあります
- 睡眠・食事・ストレス管理と組み合わせることで、より体を整えやすくなります
まず今日の体調を、少しだけ観察してみてください。
「なんとなく疲れている」「寒気がする」
そんな小さなサインに気づくことが、セルフケアの出発点です。お灸は、そのサインに「少し早めに応える」一つの手段です。
気になることがあれば、かかりつけの医師や鍼灸師に「お灸を試してみたいのですが」とそのまま伝えてみてください。
ご注意:本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の代替ではありません。症状が強い場合、不安が続く場合は、医師や専門家にご相談ください。
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