夏になると大活躍する蚊取り線香。
その香りのもとには、「シロバナムシヨケギク」という植物が使われていることをご存じですか?これは別名「除虫菊」とも呼ばれ、昔から天然の虫よけとして親しまれてきました。
このように植物の力で蚊を追い払う知恵は、実は世界各地にあるのですが、今回、よもぎが持つ蚊への効果について調べた論文を読み、とても興味深い内容だったのでご紹介したいと思います。
実は、中国ではヨモギの葉を燃やして蚊を追い払う習慣があるのをご存じですか?
今回紹介するのは、中国の7つの地域で育ったヨモギ(Artemisia argyi)の葉からとれる「香りの成分(精油)」が、マラリアをうつす蚊にどれくらい効果があるのかを調べた研究です。
目次

なぜ蚊よけにヨモギなの?
蚊はかゆみだけでなく、病気を広める原因にもなります。特に中国では「シナハマダラカ」という種類の蚊がマラリアを広げることで知られています。
今は、薬剤(スプレーなど)を使って蚊を退治することが多いですが、使いすぎると蚊が薬に強くなったり、人や環境に悪い影響が出たりする心配もあります。よく使われる「DEET(ディート)」という成分にも安全性が心配されているんです。
そこで注目されているのが、「自然の力」。ヨモギの葉っぱからとれる香りの成分には、蚊を退治したり、寄せつけなくする力があることが、科学的に確かめられてきています。
どんな研究だったの?
この研究では、中国の7つの地域でとれたヨモギの葉から精油(香りの成分)を取り出し、蚊にどんな効果があるかを調べました。
具体的には、次の3つの効果を調べています。
- 幼虫を退治する力(殺幼虫効果)
- 煙で弱らせる力(燻蒸:くんじょう毒性)
- 蚊を寄せつけない力(忌避:きひ効果)
また、精油にどんな成分がどれくらい入っているかも詳しく調べました。
研究の結果、どうだったの?
1. 幼虫を退治する力がすごい!
ヨモギの精油はどれも、蚊の幼虫に強い効果を示しました。
特に湖北省でとれたヨモギの精油が一番強く、他の地域のヨモギも良い結果を出しています。
中でも「フィトール」という成分は、少しの量でしっかり蚊の幼虫を退治する力があることがわかりました。
2. 蚊が逃げていく「忌避効果」もバッチリ!
精油をぬった肌に蚊が寄ってこない、という効果も調べました。
特に甘粛省のヨモギの精油がとても高い効果を示し、有名な蚊よけ成分「DEET」と同じくらいの力がありました。
その理由は、「オイカリプトール」というさわやかな香りの成分がたくさん入っていたからではないかと言われています。
3. 煙でも蚊に効く!
ヨモギの精油を煙にして使った場合も、蚊をすばやく弱らせることができました。
中でも甘粛省のヨモギは、煙を使ってわずか5分以内に蚊をノックダウン(動けなくする)できるほどの効果がありました。
ヨモギの精油にはどんな成分が入っているの?
地域によって少しずつ違いはあるものの、共通して入っていたのは次の4つの成分です:
- フィトール:幼虫を退治する力が強い
- オイカリプトール:蚊を寄せつけない&煙で弱らせる力がある
- β-カリオフィレン
- カリオフィレンオキシド
地域によって「この成分が多い」「これは少ない」という違いもあり、それが効果の差につながっているようです。
まとめ:ヨモギはやっぱりすごい!
この研究からわかったことは、ヨモギの香り成分には、
- 蚊の幼虫を退治する力
- 大人の蚊を煙で弱らせる力
- 蚊を寄せつけない力
この3つがそろっているということ。しかも、自然の植物由来なので、人や環境への負担が少ないというのも大きなポイントです。
ヨモギは、昔ながらの知恵としてだけでなく、科学的にも注目されている「未来の蚊よけ素材」と言えるかもしれません。
とはいえもし燃やす場合は火の取り扱いに十分注意し最大の準備をしてから試してみてください。
よもぎは育つ環境によっても精油成分が異なりますが、品種によっても成分が違うのでわたしも今後成分分析にかけ、産地でどう違うのかなどもご報告できるようにしていきます。
もしこんなことを教えてほしいなどありましたらコメントやDMにお気軽にご連絡ください!
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